[或る用の疎] 第1章『川』(1)~(7)

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kawa

1.

ビルの三階の窓から見下ろした高さ程は下の辺りに、以前までは川面があったが、今ではコンクリートで埋められている。雨が降ろうが嵐が吹こうが、増水からの河川氾濫が起きない為の人畜無害な安全を …..

 

 

2.

「嫌な事があった時にいっつも、なんで?て思うのとかめんどくさくなかと⁈」「なんで?」「こんな話も嫌なんかい!」「ああ。そうなるんか。」カツミが、両端の少しつり上がった口角を …..

 

 

3.

ケイジは味噌鍋うどんの汁をトンスイに上げてから、セットで2個付いているオニギリの2個目をその中に沈ませてグズグズになるまで箸とおたまで突き崩しておじやみたいな物を …..

 

 

4.

アキラはこの暗闇の答えがはっきりと見えてくるまで、思考の術でここが何処なのかの答え探しを続ける。ダンボール箱に入れられて森の端に捨てられた子ネコの様な。 …..

 

 

5.

今度は苛立ちから、次第に脳内を沸々としながら熱が回っていって思考の回路が再起動しだす。それからフリーズしていた感情も蘇って来るのに合わせて、タービン重機のファンの様な目まぐるしい回転速度で、急速に喪失感と焦燥感が …..

 

 

6.

実際にアキラ式の人型サイレンが作動し始めてからどれほどの時間が過ぎただろう。15分だろうか30分だろうか、1時間か24時間か。もう精も根も尽きて、アキラを捉えていた、大声を出したいという思い付きの力が弱まってきた時、 …..

 

 

7.

新玉ねぎをまずよく洗ってから不均一に薄くスライスし、そのまま器へ乗せたところへ、卵黄と広めに削られた鰹節があつらえてある。「卵の白身はどうしたの?」なんて我ながらつまらないことを聞いたもんだが、君から …..

 

[あるようのそ]———————————————————————————————–